AEDの保守システムにも。
安心・安全の提供にM2M

駅や空港、公共の施設などの壁面に、「AED」と書かれた機器が
取り付けられているのを見かけることはありませんか。

これは突然心停止を起こして倒れた人を、
その場に居合わせた人が救命に利用するための重要な装置。
「自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator)」の略で、
電極のついたパッドが心臓の状態を自動的に判断、必要に応じ
心臓に電気ショックを与えることで、心臓の状態を正常に戻す役割を果たします。

1分経過するごとに約10%生存率が下がると言われている心停止。
救急車の到着を待つ数分間での心臓マッサージが生存の要となるのです。
そのため日本でも2004年の「愛・地球博」あたりから普及したのが、
このAED。現在国内では、その導入数は約40万台以上にもなりました。

めったに使うことはないけれど、使おうと思ったときに
「使えない」ことは許されない救命装置、AED。
実はこの保守システムにもM2Mが使われているのです。
どのように活用されているのか、クローズアップしてみましょう。

  • M2Mで遠隔メンテナンス

    個々の機器にタグやセンサーで通信機能を持たせ、機器同士のデータをリアルタイムで統合・制御する「M2M (Machine to Machine)」。

    いわゆる「モノのインターネット」であるIoT(Internet of Things)の一種で、全てのモノ(機器)がインターネットを介し自動制御される革命的なシステムです。産業界全体では生産・流通・業務フローの大幅な効率化が実現することで、世界中の注目を集めています。

    このM2Mを、AEDにおいては「遠隔メンテナンス」に活用。遠隔でAEDの各装置を監視することで、パッド等消耗品や電極・バッテリーの使用期限の管理、設置位置の移動、そして使用履歴に至るまでを管理しています。そして異常があれば即座にメールで通知されるのです。

    厚労省の通達では、AEDの管理責任は設置者に帰属しています。しかし、実はこれまでにAED設置者行ったメンテナンスに関するアンケートによると、装置を「点検していない」とする回答が大多数でした。メンテナンス時期にはランプが点灯するため、注視しておけば装置の外からでも確認は可能ですが、その煩わしさや責任の重さから敬遠されてきた現実が浮き彫りとなった形です。

    このような背景から、AED販売各社では保守サービスも併せて提供するケースが増えてきました。

    AED(自動体外除細動器)ハートスタート

    具体的な保守内容としては、パッドや電極、バッテリー等消耗品の使用期限や設置位置、利用履歴から機器の状態を遠隔で自動監視・診断し、異常があればメールですぐに通知されるというもの。

    最近では電源が無くてもバッテリーで監視できるものが主流となっているため、設置環境も選びません。

    目視確認による人為的なチェックミスを未然に防ぐことで、安心・安全を確実に提供するというAEDのミッション実現を死守しているのです。

  • 高齢化社会で広がる活用法

    こうしたM2MによるAEDの遠隔監視技術は、大多数の人が日本に集まる2020年のオリンピックに向けてますます普及することは確実です。

    そして、その普及はAEDだけに留まりません。在宅医療に使用される機器の監視など他の医療機器においても、高齢化社会に伴いM2M活用の場は拡大の一途を辿っています。

    安全と安心を提供する生命線である医療機器。高い水準での確実なサービス展開が求められる分野で、M2Mの最新技術に多大なる注目が集まります。

    (文:四方美架)

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