IoTコラム - 多様な業種において注目されるAIのビジネス活用と、ビッグデータの活用事例をご紹介します

AIのビジネス活用に欠かせないビッグデータと
その活用事例

多様な業種においてビジネス活用が注目されているAI。
ビッグデータの解析を行い、さまざまな予測に役立てることができますが、
具体的にどのような仕組みのものなのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、ビジネスにAIを活用する際に覚えておきたい基本的な内容と、
ビッグデータの活用事例などもあわせて解説します。

  • AIをビジネスの予測に役立てる

    AIは業務の効率化という用途だけではなく、さまざまな予測に役立てることもできます。そのためには、AIの特性を理解しておかなければなりません。

    AIの得意なこと・不得意なこと

    AIが最も得意としているのは、「定量的で膨大な処理が要求されるもの」です。明確にルール化でき、一定の法則にしたがって処理を行う作業においては、人間の能力を超越したスピードと正確性を発揮し、大幅な生産性アップに貢献します。
    反対に、AIが不得意なものとしては「定性的で判断基準があいまいなもの」「0から1を生み出す創造的な仕事」などが挙げられます。

    AIの得意分野と苦手分野

    AIが予測するために必要な情報

    AIが得意とする、定量的かつ膨大な作業を実現するためには、根拠となるデータが必要です。たとえばAI活用の一例として「この商品はどの程度の売り上げが見込めるか?」といった需要予測があります。商品を企画開発した担当者は、自身の過去の経験や勘に基づいて感覚的に予想を立てることはできますが、AIには本来、そのようなデータが一切ありません。したがって、AIにとっては根拠のない定性的な課題であり、需要予測を立てることができないのです。
    このように、定量的な問題としてAIに処理させるためには、根拠となるデータを用意しAIに学習させる必要があります。本来は定性的な課題であったとしても、何を根拠に予測を立たてるのかを決めておけばAIを有効に活用できるのです。

    データを準備→学習→需要予測
  • 予測のために必要なビッグデータ

    AIの処理には根拠となるデータが必要ですが、当然のことながらデータの種類や量が多いほど予測の精度は向上します。ここで重要となるのが「ビッグデータ」と呼ばれるものです。

    ビッグデータとは?

    ビッグデータとはその名の通り「大量かつ多様なデータ群」のことを指します。たとえば農業において環境データは不可欠ですが、一口に環境データといってもさまざまな要素があります。気温や湿度、雨量などの基本的なデータはもちろん、土壌に含まれる成分濃度なども重要な情報です。
    これらのデータは季節によって大きく変動するため、少なくとも数年単位でのデータ収集が求められるのです。どのようなビジネスや用途にビッグデータを活用するのかによっても、求められるデータの種類やボリュームは異なります。つまり、ビッグデータに求められる要素は明確に定義されているものではなく 、予測する項目や目的に応じて検討する必要があるのです。

    ビジネスに活用できるビッグデータの一例

    農業に不可欠な環境データ以外にも、業種によって求められるビッグデータはさまざまです。
    たとえば小売業の場合、日別の売り上げデータと天候・気温のデータをかけ合わせることで売り上げ予測に役立てられます。また、これに加えて、新商品の発売やキャンペーンなどの情報もビッグデータに追加すれば、さらに精度の高い需要予測が可能になるでしょう。

    旅行・観光業界においては、日別の旅行客データや天候・気温データ以外にも、SNSや検索ワードのトレンドを分析することで予測精度を向上できます。具体的な地名が出ていなくても、関連性の高いワードを抽出してSNSなどでプロモーションすれば集客に結び付けられるかもしれません。
    KDDIでは通信事業者の強みを生かし、個別に同意を得たauスマートフォンから取得できる位置情報を、ビッグデータとして収集しています。

    ビッグデータの一例

    ビッグデータの一例

    AIでビッグデータを効率的に解析

    AIのビジネス活用はビッグデータなくして実現できないものです。大量のデータを人間が自力で分析しようとしても、膨大な時間や労力を要し効率的とはいえません。AIのビジネス活用においては「いかに質の高いビッグデータを集められるか」が重要であり、収集するデータの種類やボリュームによって予測の精度が左右されるといっても過言ではありません。

  • ビッグデータとAIによる
    需要予測の事例

    ビッグデータとAIを活用した需要予測に欠かせないソリューションと、業種別の活用事例について紹介します。

    需要予測を実現するソリューション

    昨今、需要予測を実現するソリューションのニーズが高まっており、多くの企業が各社の独自性を活かしたソリューションを提供しています。KDDIおよびKDDIグループにおいても、ビッグデータをもとにさまざまな需要予測に役立てています。今回はその中から、「KDDI Location Data」「需要予測ソリューション」「AIカメラ」について紹介します。

    「KDDI Location Data」とは

    「KDDI Location Data(KLD)」とは個別に利用許諾を得たauスマートフォン端末のGPS位置情報を収集し、「特定エリアの人口や人の流れに関する情報」を提供するサービスです。

    要件や課題に合わせて過去・現在・未来の3つの時間区分から人流ビッグデータを提供し、より精緻なビジネス予測を可能にします。
    サービスタイプは、過去に遡って調査可能な「移動滞在データ」、1時間毎にその時点の人口を示す「準リアルタイムデータ」、1時間後の人口を予測する「未来予測データ」の3つに加え、出発地点から到着地点まで何人移動したかを示す「ODデータ」の4種類を用意しています。

    「需要予測ソリューション」とは

    「需要予測ソリューション」とは、豊富な外部データや人口動態データをもとに、商品の販売数などを高精度かつ効率的に予測するソリューションです。
    自社における販売データはもちろん、天気や立地、周辺で開催されているイベントなどの情報を複合的に分析し、将来の販売動向を予測します。自社に実績データが存在しない新商品や新規顧客においても、同一カテゴリのデータをもとに予測を行います。

    本ソリューションの特徴を活かすことで、物流・配送業、小売業、電力・ガス業などで行われている「需要予測に基づいた、商品の調達・補充・配送などの業務」の効率化を実現できます。

    「KDDI IoTクラウド 〜AIカメラ〜」とは

    「KDDI IoTクラウド 〜AIカメラ〜」とは、人間や物体の動きを、カメラと画像解析エンジンによって分析するソリューションです。

    ネットワークに接続されたカメラによって画像データがアップロードされ、画像解析エンジンを搭載したAIが解析します。小売や飲食などの店舗、鉄道や空港など、多様な業種およびニーズに合わせて生成された約300種類もの学習モデルを搭載。店舗の滞在時間分析や交通機関での混雑検出、踏切侵入検出など、さまざまな用途での活用が想定されます。

    業種別活用事例

    ビッグデータを活用した需要予測の事例として、業種別に4つ紹介します。

    物流

    従来、物流業界においては、経験則に基づき物流ルートを決めるのが一般的であり、ドライバーの経験によって配送効率が異なるという課題を抱えていました。
    そこで、KLDの未来予測データ実際の配車データを組み合わせることにより、精緻な需要予測が可能となるほか、新人ドライバーの即戦力化や燃料費の削減など、様々なビジネス上のメリットが期待されます。

    タクシー

    タクシー業界では周辺のイベント開催状況や天候などの条件により、需要がきわめて流動的で予測しにくい課題を抱えていました。
    そこで、スマートフォンの位置情報ビッグデータをもとに、イベント開催情報や気象データ、公共交通機関の運行状況を掛け合わせ、予測したタクシー需要の配信が期待されます。

    小売・飲食

    支店や営業店舗の新規出店を検討する際、候補となる出店エリアおよび競合店舗のエリアを把握する必要があります。しかし、これには年間を通した道路交通調査など、膨大な手間とコストがかかってしまうという課題がありました。
    そこで、KLDの移動滞在データと、対象となる施設内データなどを組み合わせることで、年間の交通量を正確に把握できます。これにより、確度の高い売上予測を基にした出店計画の立案に役立てられると期待されます。

    警備

    警備の現場では、大規模なイベント開催時において人口動態を事前に予測することが難しいという課題がありました。
    そこで、KLDの未来予測データイベントデータを組み合わせることで、未来の混雑状況を予測し、警備員配置の最適化に役立てる方法が考えられます。これによって、来場者への混雑緩和を促すアナウンスや、人員配置の最適化による人件費削減などが期待されます。

  • 課題を明確にし
    必要なビッグデータを準備する

    AIは決して万能なものではなく、得意・不得意があります。また、AIだけで何かの問題が解決できるとは限らず、良質なビッグデータが存在して初めて能力を発揮できるものです。AIをビジネスに活用するためには、どのような課題を解決するのかを明確にし、それに必要なビッグデータは何なのかを考えてみる必要があります。

    KDDIではさまざまなビジネスに活用できるビッグデータを「KDDI Location Data」「需要予測ソリューション」「KDDI IoTクラウド 〜AIカメラ〜」 としても提供していますので、ぜひご検討ください。

    (文:西村広光)

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[2020年10月12日~10月18日]