IoTコラム - 健康管理や医療分野におけるヘルステックについて、KDDIが取り組んでいる事例と共にご紹介します

新型コロナで注目されるヘルステックとは?
KDDIとの協業事例も紹介

新型コロナウイルスの影響によってICTを活用した、
さまざまなソリューション
が注目されるようになりました。
とくに関連性が高いものとして、健康管理や医療分野におけるヘルステックが挙げられます。
そこで今回は、ヘルステックとは何なのか、
KDDIがこれまでに取り組んできた具体的な事例も含めて詳しく解説します。

  • ヘルステックとは?

    ヘルステックとは「Health(健康)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた言葉で、主に医療や介護、健康管理の分野において社会課題を解決するICT技術です。

    何をもってヘルステックと定義付けを行うのか、その厳密なルールは定められていませんが、スマートフォンやタブレット端末などの登場によってインターネットが身近な存在となり、近年ではIoTやAIといった先進的なテクノロジーの活用も進んでいます。特定のICT技術を活用するのではなく、必要に応じてさまざまなテクノロジーを併用し組み合わせながら、これまでになかった革新的なサービスや製品を開発することがヘルステックの本質といえるでしょう。

    人類が長年にわたって積み上げてきた医療や介護分野におけるノウハウと、近年急速な進展を遂げているICT分野のテクノロジーが連携することによって、さまざまな社会課題が解決できると考えられています。

  • ヘルステックが注目されている理由

    医療や介護、健康は人類が生活を営む上で重要な要素ですが、近年になって注目されるようになった分野ではありません。それにもかかわらず、なぜ今のタイミングでヘルステックが注目を集めているのでしょうか。そこには大きく分けて2つの理由が考えられます。

    まず1つ目は、医療費の高騰です。日本は全国民が平等に医療サービスを受けられるよう国民皆保険制度が採用されており、万が一重篤な病気になり高額な医療費がかかってしまっても最小限の出費で済むようになっています。しかし、団塊の世代が後期高齢者となる2025年頃のタイミングで、医療費が高騰するのではないかという懸念が生じています。
    居住地域や生活環境によって十分な医療が受けられないケースも想定され、そのような医療格差を是正するためにヘルステックが注目されています。

    2つ目の理由としては、ICT関連技術の進歩が挙げられます。スマートフォンはもちろん、ウェアラブルデバイスなども一般的な存在となった今、さまざまな健康データを収集してクラウド上で管理できる仕組みが整備されています。人々の健康意識を高めることによって病気を予防し、医療機関にかかる患者数が減少できると考えられています。

    直近の出来事としては、新型コロナウイルスの感染拡大によって来院の必要がないオンライン診療が注目を集めました。今後このような感染症対策の一環としても、ICT技術を活用したヘルステックの需要は高まっていくと予想されます。

  • KDDIとの協業による
    ヘルステックの取り組み事例

    ここからはKDDIが取り組んでいるヘルステックの事例をいくつか紹介します。他社との協業によって提供している事例もピックアップしておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

    スマホdeドック

    スマホdeドックはKDDIが提供している簡易的な血液検査キットです。0.065mlというわずかな血液を自分で採取し、郵便ポストに投函します。郵送後1週間程度で検査結果がメールで届く流れとなっています。検査の内容は一般的な健康診断と同等のもので、自宅にいながらでも手軽に検査が可能です。
    また肝心の検査精度についても、厚生労働省および米国疾病管理センターから承認された検査キットを採用しているため、高精度の検査を行うことが可能です。

    メディカルケアステーション(MCS)

    メディカルケアステーション(MCS)は、エンブレース株式会社が提供しているオンライン上でコミュニケーションができる非公開型 医療介護連携プラットフォームです。
    病院、クリニック、薬局、介護施設などで働く医師・看護師・薬剤師・ケアマネジャーなど多職種間の連携(報告・連絡・相談)や、患者・家族とのコミュニケーションツールとして、2020年6月時点で全国11万人以上の利用実績を誇ります。また、医療介護従事者・患者およびその家族は無料で利用できます。

    MCSは厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠しているため、医療情報を安全安心にオンライン上で共有することが可能。また、導入から運用までトータルでサポートしているため、安心して利用できます。
    KDDIではMCSを提供しているエンブレース株式会社と資本業務提携を結び、医療と介護におけるIT化を強力に支援します。

    Mystar

    株式会社PREVENTが提供している「Mystar」は、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の重症化予防のためにオンライン上で生活指導を行い、対象者の生活習慣を改善するプログラムです。

    スマートフォンに専用のモバイルアプリをインストールし、ライフログデータを取得するために腕時計型のモニタリングデバイスを装着します。運動量や脈拍、塩分摂取量などの基本的なデータをもとに、看護師や管理栄養士などの専門家がマンツーマンでサポートしていきます。

    KDDIではMystarを提供している株式会社PREVENTと資本業務提携を結び、データ解析技術やAI技術などによるサービス高度化・効率化を進め、Mystarの社会実装を強力に支援します。

    オンライン診療システム「CLINICS」

    株式会社メドレーが提供している「CLINICS」は、WEB予約・事前問診・ビデオチャットでの診察・クレジットカード決済・薬/処方せんの配送サポート等の各種機能を備えた導入実績No.1(※) のオンライン診療システムです。2016年2月のサービス開始から2020年3月末時点までで全国約1,300の医療機関に導入されており、6月までに10万回を超える診察が行われています。

    患者は「CLINICS」アプリを利用することで、病院へ行くことなくスマートフォンやタブレット端末からオンライン診療を受けることができるため、通院負担や院内での二次感染のリスクも軽減できます。アプリはダウンロードも利用も無料で、24時間いつでも予約可能です。また、診察後はアプリに登録されたクレジットカードで決済が行われ、薬や処方せんも自宅などへ郵送してもらうことができます。

    全ての診療がオンラインに対応できるとは限りませんが、オンライン診療の利用者は急増しています。さらに、新型コロナウイルスの感染防止対策の一環として2020年4月から時限措置としてオンラインでの初診も認められたことで、患者にとってもオンライン診療を利用しやすい状況になっています。

    メドレーとKDDIは、2017年の時点でいち早く福島県南相馬市においてオンライン診療の提供を開始しました。看護師がタブレット端末をもって患者の自宅を訪問し、医師がオンライン診療を実施する取り組みが行われました。この際に使用するタブレット端末および通信ネットワーク回線をKDDIが提供し、回線とサービスがシームレスに連携するオンライン診療を実現しました。

  • まとめ

    新型コロナウイルスの感染拡大によってオンライン診療が注目されましたが、ヘルステックの分野は今後ますますニーズが高まっていくと予想されます。医療従事者や介護従事者などを直接的にサポートすることはもちろんですが、患者の不安や日々の健康管理、予防などに役立つものなど、ヘルステックには人々に大きな利益をもたらすことが期待されます。

    KDDIでは今後もIoTやAI、5Gといった最新のテクノロジーを活用しながら、ヘルステックのオープンイノベーションを実現する取り組みを継続していきます。

    (文:西村広光)

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[2020年8月3日~8月9日]